#004 切り捨てない、という選択について
- Mee

- 2025年12月20日
- 読了時間: 2分
切り捨てない、という選択について。
わたしたちは日々、無数の判断をしています。 効率が良いか、合理的か、早いか、成果につながるか。 現代社会では、それらはとても重要な指標です。
しかし同時に、そうした判断の中で、知らず知らずのうちに切り捨てているものがあります。 言葉にならない違和感、まだ整理されていない思い、結論に至っていない問い。
それらは「今すぐ役に立たないもの」として、脇に追いやられがちです。
愛智学では、この“切り捨てる癖”そのものを問い直します。
切り捨てない、という選択は、甘さでも非合理でもありません。 むしろ、それは非常に高度な態度です。
未完成なものを、未完成のまま保持する力。 結論が出ていない問いと、共に在り続ける力。 理解できない他者を、理解できないまま尊重する力。
それらはすべて、「愛」という言葉でしか表現できない在り方です。
ここで言う愛は、感情ではありません。 好意や優しさ、共感だけを指すものでもありません。
愛とは、切り捨てない態度です。
効率化の名のもとに排除しないこと。 理解できないものを、すぐに敵にしないこと。 自分自身の中にある矛盾や弱さを、なかったことにしないこと。
切り捨てないという選択は、時間がかかります。 答えが出ない期間を引き受ける覚悟が要ります。 だからこそ、この態度は軽く扱われがちです。
けれども、本質的な変容は、常にこの場所からしか始まりません。
愛智学が大切にしているのは、正しさの更新ではなく、在り方の更新です。
切り捨てない。
それは、世界を操作しないという誓いであり、 自分自身を雑に扱わないという選択でもあります。
今日もまた、何かを急いで決めそうになったとき、 一度だけ立ち止まって問いかけてみたいのです。
本当に、それは切り捨ててよいものなのでしょうか。
その問いを抱え続けること自体が、すでに愛の実践なのだと、わたしは思っています。